mardi 21 avril 2020









家族が冷やし中華を食べたいと言うので支度をします。
きゅうり、鶏肉、卵……その辺にあるものでよし。練り胡麻が冷蔵庫にあったから胡麻ダレ。タレは林檎酢を使うように注文されたので Maille  Vinaigre de cidre を買ってきた。多分これであってるはず。
中華麺はさすがに入手不可能。
しかし心配は無用、Barilla の N°1 を小匙1杯の重曹で茹でれば即席中華麺の出来上がり。嘘だと思ったらやってみると良い。なるべく細いパスタを使うのがポイント。N°7 とか使うとつけ麺みたいになります。



昨日の朝食後に Grant Green  Sookie Sookie を聴いていて、ああ自分の葬式の音楽はこういうのが良いなと思った。厳密に言うと出棺の音楽。あのいなたい掛け声がまた出棺を盛り上げる! MJQ  Django とかはちょっと(Grant Green の名演もあります)…… Fania All Stars とかも考えたけれど、自分のキャラクターと掛け離れている感が否めないので却下。


葬式と言えば、フランスに住んで今までに2度葬式で演奏しました。身内に頼まれての余興とかではなく、Gigとして。日本にいた時はそんな仕事はした事なかった。
初めてのその仕事はもう10年くらい前かな?郊外は Moudon の墓地で天気も良く… 故人が Jazz 好きで、ライブで送り出したいというご依頼。

2度目は数年前。あるピアニストの叔父さんの葬式、場所は Père Lachaise 。昔その界隈に長く住んでいたにも関わらず、初めて墓地に入りました。
やはりこちらも故人が Jazz を愛していたので、というご依頼。確か土曜日の天気の良い朝で、少人数でさっぱりとした、自分が言うのもなんだけれどとても良いセレモニーでした。

書きながら思い出したのだけれど、当時はゴスペルのグループで演奏していたので週末はもうただひたすら結婚式のGigをしていました。
Le Havre に日帰りなんか朝飯前。 隣国は Luxembourg に車で行って、到着したらリーダーが譜面を全て忘れていたのは… 今となっては良い思い出。




Bon confinement à tous !








近所のドラ猫。
松太郎(と勝手に我が家で呼んでいる)。












vendredi 17 avril 2020

La vie continue...







2週間に1度買出しに行く Biocoop 。醤油、味噌、豆腐、なんならオカラもあるし白菜や大根もある。入店制限で間隔を開けながら並んで入るのはどこの店とも変わらないのだけれど、入店するとまず、客は入り口付近に設置されている使い捨てのゴム手袋を着用して買物をすることが義務化されていた。。。レジも透明のパネルが設置されてみんなマスクしているから、なんかもう何言ってるのか良く聞こえないのだけどここの店員はみんな感じが良くて顔見知りだから、元気に明るく働いているのを見るとほっとする。こちらの名前を覚えていてくれて、店に入ると名前で挨拶してくれるスーパーなんてここくらいだ。
相変わらず小麦粉とドライイーストは品薄。マフィアはコカインから小麦粉にシノギを変えたと言う冗談が聞こえてくる。我が家の主食は小麦粉ではなく米なのでさほど困らないけれど、さっきもパン屋の外で並んでいたら後ろの親子が

「パパ、バゲットいくつ買うの?」

「たくさん。まとめて買って冷凍しておくから。店には1人づつしか入れないからパパが店に入ったら外で待ってて。」


うちもそうしています。我が家の向かい2軒先に住むえみちゃん(※Émilie、うちでそう呼んでいるだけ)の分のバゲットも買って行く。
とにかく外出を控えるために、買物に行く日は互いに事前に電話して、そうするとほら、パン屋なんかにしょっちゅう行かなくて済むから。あとはある程度買うと送料が無料になる産地直送の野菜を一緒に注文したり。こんな時こそ近所同士の助け合い。

助け合いと言えば、政令が出る直前に、まとまったお金を頂きました。この状況がいつか落ち着いた後(半年か1年後?)にする予定の仕事のお金の前払い。ものすごく助かる。がしかし、その翌日からうちの界隈の La Poste(我が家のメインバンク)が閉まってしまい入金不可能に
近所の買物は全部カードで払うようにしているし店側も当然その方が有難いだろう。使えない現金はただの紙でしかない…使えないこともないだろうけど…。ついでに当然ながら小切手も振り込めない




風呂入って寝ます。









vendredi 10 avril 2020

Yamaha, Estonia etcétéra







「いやー君いい音してるねー」

と言われて嬉しくない音楽家はいないと思うのだけれど、その後に

「楽器なに使ってるの?マウスピースは?」

とか言われると、めんどうくさくてかなわない。

「どんな練習してるの?」

もしくは

「x月x日空いてる?」

等と言うと音楽家はもっと機嫌が良くなるでしょう。


この間ライブ前にウォームアップしていたらマウスピースを尋ねてくるオッサンがいたから丁寧に追い払った…。
ギターの Saul Rubin に「お、スターリングシルバーのネック、 cool だね。」って言われた時はびっくりしたけど。



今使ってる 82z はもういつ買ったんだろう? まだ道玄坂に Yamaha があった頃の話で、主任の藤田さんに頼んでフランスに送ってもらって…12年前の話だ。個体も選んでいない。
銀座の Yamaha もまだ建て替える前で、確かアトリエが上の方の階にあって、臼庭さんに紹介してもらって初めて行ったような…… 記憶が既に曖昧で覚えていないけれども、一つ覚えているのは、確かアトリエで、なんかネックとかネジとかを色々と試すというのに連れて行かれて、そしたら横で臼庭さんが一言、

「しかしおまえは何吹いてもなんも変わんないな?おまえの音しかしないよ。」

眞瀬さんとか増田さんとか一緒にいたはずだから、まあそれを言っちゃあね……って感じになったのを覚えている。。
なんだかあまり Yamaha の方々のお役に全く立てなくて申し訳ない。

何吹いても一緒なら吹いていて楽な楽器がいいに決まってるから 82z にした。ULの見た目も渋い。
あとは臼庭さんが勧めてくれたからかな?いや、渋谷店で藤田さんに勧められたからだったかな? もうほとんどお見合い結婚のレベルで決めたような…… 結局、記憶が曖昧なのは動機が曖昧だったからかも知れない。

それから十数年の間に何度か落としたりぶつけたりで大がかりな修理をしてる割には何の問題も不満もないのだけれど、長年リペアを頼んでいたフミちゃんがエストニアに引っ越してしまい、困った。正直、Saxmachine の他のリペアマン達の腕はフミちゃんには及ばない。
そう言えばもう67年使ってる今のマウスピース、V16 もフミちゃんの家で吹いて気にいったから売ってもらったんだよな。井伏鱒二の「荻窪風土記」を教えてくれたのも彼女だ。エストニアと言えば梨木香歩氏の「エストニア紀行」…まあいい、話がまた長くなる。




良い人々とのご縁で良い楽器に恵まれています。







しかし猫ちゃんは Selmer 一択!













vendredi 3 avril 2020

From Paris With Love




#1

まあ聞いてくれ。

にわかには信じ難い事なのだけれど、日本やアメリカでは人命と経済をはかりにかける議論がある、という記事を読んだ。少なくともフランスでそんな議論は聞いたことがない。当たり前だ。人命より大切なものが他にあったら教えてほしい。
大統領が確かにはっきりと、今この国は戦時下にあるから家から出るなと言ったんだ。

もう二週間以上こうして家でおとなしく暮らしているけど何一つ不自由は感じない…… スーパーでは小麦粉とドライイーストが品薄なくらいで(毎日パン屋に行くリスクを減らすためにパンを家で焼く人続出!)、むしろ厳しく入場制限された店内はいつも空いていて買物しやすい。
同じように行動が制限される機会、例えばここ最近の交通機関の無期限ストライキの方が、生活上のストレスは高かった。断言するけど、今の暮らしの方が明らかに精神的に落ち着いた生活を送っている。なんだろう、この安心感は?

そう、久しぶりにベルリンの帆さんと連絡を取り合って、2年ぶりくらいかな?といっても別にお互いの状況は大して変わらないのはわかっているから、どうしても話題は故国の惨状になってしまう……






#2

だいぶ前の話になるのだけれど家族が緊急で病院の世話になる機会があって、その時点で、申請してからもう随分待つのに保険証がまだ届いていなかった。
保険証無しで緊急入院するというのはまあ中々心臓に悪い(笑)。

で、だ。当然病院で事情を説明するわけだけれど、さして驚かれるでもなく、まずこちらの心配を宥めるように一言、

 「現時点で治療費の請求はありません。病院ではまず誰もが等しく治療が受けられます。ここはフランスだから。」

と。

で、病院内に社会保険担当の課があるから、そこに行ってマダム×××を訪ねるようにと。
早速その足で向かうも本日はお休み。。。アシスタントの方に用件を伝えると、ここでもまったく同じことを言われる。

「今はお金の心配はしなくていいから。」

日を改めてその担当の方を再訪、かくかくしかじか話すと、早速その場で社会保険庁にメールを送ってくれて、数日後には仮登録番号が送られてきた。保険証は結局その後2ヶ月くらいかかって届いたのだけれど、仮登録番号さえあれば同じこと。
この担当のマダム×××さんが、これは本当にもう何というか、深い経験を持つ人間特有のおおらかさというか……
彼女曰く、

「あなたたちよりもっと酷い状況でここにやってくる人もたくさんいます。ビザも滞在証もパスポートさえ持たない人もそれでもまずは治療は誰でも等しく受けられます。私は警察とイミグレーションとは関わりはありません。先日なんか英語も仏語も話さないチベットの方が来て。」

後日、病院から治療費やら入院費やらの請求書が送られてきた。新大久保あたりの楽器屋でミントコンディションの Selmer Mark VI が買えるくらいの金額に一瞬怯むも、よく読めば、社会保険番号を送ればこの請求額は免除と書いてあるじゃないか。


例えばアメリカに住んでいたら、お金が無ければそもそも救急車に乗れないし、病院にも行けない。
不法滞在の外国人が日本の病院に緊急入院した場合のその後は先が知れてる。





#3

しかしまああれだ、ブラジルの大統領は「人間誰でも死ぬ時は死ぬ」と言って相変わらずだし、ベラルーシの大統領は「ウオッカとサウナがあれば大丈夫」と言っている。。。
北朝鮮では感染者ゼロらしいし(笑)、楽観的だった某イギリスの首相は本人が絶賛隔離中。アメリカの大統領は確か全ては民主党のフェイクニュースで騒ぎ過ぎだと言って憚らなかったが、時既に遅し。日本ではほんの先週くらいまで新学期から学校再開、オリンピックは予定通り開催っ言ってなかったか?


誰が何を信じるかは個人の自由だから、自分は自分の信じる国で暮らす事にした。もう15年も前、確かシラクの最後の任期の年だった。

真面目な話を長く書きすぎたけど、結局のところ、今朝は Skatalites  ‘From Paris With Love’ がもう本当に最高で、今ラジオから聞こえてくる Christian McBride もゴキゲンだし、昼に食べた挽肉と茄子のカレーも旨かった…… 
こんなどうでもいい事を書いているこの瞬間にも最前線で24時間戦っている方々のおかげで、国境が封鎖されようが交通機関が全く動いていなくても、当たり前の自由はいつもそこにある。
あ、今流れてきた Benny Golson のソロも半端じゃないです。



風呂入って寝ます。







猫ちゃんも待機中!