前日

 の晩に「明日の朝は Stan Getz の Pennies From Heaven （ライブ盤）を聴こう」と決めていたので朝食後に聴き始めたのだけれどもなんとなく…… 今朝の気分はどちらかと言えば Getz & Cal Tjader Sextet に入っている For All Me Know に悶絶。
それから Nat King Cole の After Midnight 、次いで Miles の Relaxin’ 等と聴いていたらもうすでに正午近く。

iPhone から SNS のアプリは削除して、ニュースサイトも毎日見る必要は無く（本当に重要な情報はフランス政府と日本大使館から受けとるメールで十分）、午前中は音楽を聴いて過ごし、午後の遅い時間からオンラインでレッスンを何人かするという生活はそれほど悪くないです。SNS はたまに見ます。毎日は疲れるので見ない。

例年はカタツムリの被害にうんざりするので避けていた葉物野菜の種蒔も終え（今年はカタツムリ退治をする時間がいくらでもある！）、それからクルジェットも蒔く。

数年前に植えたシブレットは既に野生化しているので日々の食卓の彩りに。同じく野生化した苺の葉も良く盛っています。秋以降放ったらかしにしているトマトも春先になると勝手に芽を出す。

近所のスーパーにも薬局にもAmazon にも必要な物は必要なだけあります。

今日の昼食は昨日炊いた栗おこわの残りと長ネギのコンソメ煮。先週漬けたザワークラウトもそろそろ食べ頃、こんな時こそ発酵食品、あとは毎日ゆっくり風呂に入るのも忘れずに！

Tout va bien ici.

3月13日にここで演奏したのが最後になってしまった。

外出制限令から一週間、最初の5日間は何をするとでもなく朝から晩まで音楽を聴きながら過ごしました。特に理由は無いのだけれど楽器はほとんど触れず、とりわけ晴天が続くので大物の洗濯物を気持ち良く干したり、新鮮な野菜が宅配で届いたので毎日料理をするのが楽しい、とか。

しかし本当にこのまま何の収入も無くこんな生活を何週間も続けるわけにはいかないので、人に勧められてもそもそも懐疑的でまったくやる気のなかったSkypeでのレッスンを始めました。収入大事！。

早速この週末から6人やってみたのだけれども、何はともあれお互いの安否を確認して世間話をしたり、こういう状況下においては生徒にとってはもちろんのこと、自分自身にとっても非常に良い気分転換に。

今日の夕方はオランダの片田舎にいち早く疎開した生徒とみっちり練習。昨日レッスンした生徒は南に疎開中、3月だというのに既にノースリーブのトップスが眩しい。

それにしてもフランス政府のこの迅速かつ的確な（かどうかの賛否はともかく）執政には目を見張るばかり。こういう非常事態の時こそ、本気度というか底力というか、要するに国力を感じぜずにはいられないのです。軍事力とか国内総生産とか株価とかそういう事ではなく…

 

猫ちゃんだって外に出たい！

Bon confinement alors !

政令により必要最低限以外の外出は原則禁止になってから今日で5日目。月曜日の夜の大統領の演説の中で彼が何度も繰り返した‘Nous sommes en guerre’ の通り、人々はそれなりの危機感と落ち着きを持ってこの状況下で静かに暮らしています。少なくとも自分の周辺は。

文字通り一夜にして今後全ての仕事が無くなった音楽家は皆何をしているのか（とは言えフランスに住む人間全てに於ける事なので、極めて平等であると同時に安心感もある）…… 別に外で演奏することが無くなっただけで、家で楽器を弾いたり、音楽を聴いたり曲を書いたりと、意外と結局普段とやっている事は何一つ変わっていないのではないでしょうか。そもそも家で過ごせる時間がいくらでもあるというのは最高のことだと自分は思うのだけど…… やることは毎日山ほどある。
たとえ一時的に収入が途絶えたとしても、この貴重な時間は多くの音楽家（に限らずありとあらゆる人々）にとって非常に価値のあるものとなる事でしょう。

服の整理をしていたら、この冬はあまり出番のなかった Cat’s Paw のチノパン。はき心地に色味も申し分無いのだけれどいかんせん日本でしか手に入らないのが残念な反面、20代の頃から贔屓にしている東洋エンタープライズがまだまだ健在であるのは嬉しい限り。

冷凍の鮭を常温で解凍する傍ら米を洗い浸水させ、若い頃の Billie Holiday のアルバムを聴いている間に、今日ももう少しで日が暮れようとしています。

そういえば、来週の日曜日から夏時間。

Billie Holiday の次には Freddie Hubbard の1960年録音のアルバム、’Goin’Up’を聴きます。

猫ちゃんも大満足の寝心地！